Human Occupational Professional Education
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資格取得までのコース

看護師へのファースト・ステップ
みなさんが看護師になるためのファースト・ステップは、看護師を養成する教育機関に入学することになります。そこで学び、国家試験に合格した後、看護免許を厚生労働大臣から受けて、正規の看護師として仕事ができます。
職業が、医療全体の中で極めて重要な役割を持ちますので、専門職として、看護に関する専門的な教育を受けることが不可欠となります。

・看護学校の種類と特色
・各学校の主な特色
・看護師からのキャリアアップ
・おわりに


看護学校の種類と特色
看護師養成所には、さまざまな種類がありますが、いずれも高等学校卒業(もしくは大検受験資格取得者)が
入学資格であることと、卒業と同時に看護師国家試験の受験資格が得られます。以下にその学校の種類を列記します。

@看護大学(国立・公立・私立) 
A国立大学医療技術短期大学部看護学科
B公立看護短期大学
C私立看護短期大学
D国立大学医学部附属看護学科
E国立病院・国立療養所附属養成所
F公立大学医学部附属看護学校
G私立大学医学部附属看護学校
H公立看護師養成所
I私立看護師養成所                  
J日本赤十字社看護師養成所             
K労働福祉事業団養成所               
L済生会、厚生関係の養成所            

これらの施設は大別すると2つにまとめることができます。
大学や短大等の学校教育法第一条に定められた学校(1〜4)と、
各種学校としてその病院が必要とする看護師を養成する学校(5〜13)です。

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各学校の主な特色

看護大学>>1
看護師養成所としては頂点にある教育機関です。
また、大学によっては養護教諭、保健師、助産師、事業所の衛生管理者、中学・高校の保健科目の教員への道も開かれています。
近年、看護職の専門性が強調されることにより、また、急速に高齢化社会に対応できる人材の育成という面からも、看護教育が高度化していく傾向にあります。このような社会の動きを受けて、今後、さらに看護系大学や短大は増えていくものと思われます。
平成13年、高度な看護医療を担う人材育成を目指して厚生労働省は国立看護大学校を開学しました。第1期生は20倍という高倍率でした。

短期大学>>2〜4
一般の短大は2年制ですが、看護学科の場合は3年間の修学が保健師助産師看護師法によって定められていますので、3年制となります。(2年制の短大もありますが、これは准看護師の免許を持った高卒者が正看護師になるための学校ですから注意して下さい。この2つのコースを併設している短大や専門学校では3年制のコースを第1看護学科、2年制の進学コースを第2看護学科と呼んで区別しています。)
看護短大は学校教育法によって、他の短大と同じ基盤に立っています。そのため、設備や教員に一定の基準が設けられている点や、他の分野に転じた場合に共通の修得単位として扱われること、さらに同じ看護系の大学への編入学が可能です。(看護大学への編入学は短大卒業後、もしくは卒業見込の場合です。他の学部からの編入はできません。)

その他の看護師養成所>>5〜13
さまざまな団体が設置主体となった学校です。そのため、教育内容は、設置主体の病院等の運営方針の影響を少なからず受けており、各施設によって特色があります。学習内容は短大の教育科目と同レベルのものが要求されることは、いうまでもありません。その数は496校(2001年4月)で、ほとんどの場合募集人員は50名以下です。
これらの養成所が短大ともっとも違う点は、奨学金制度が充実している点です。設置主体者に病院附属が多く、それらは病院で必要な看護師を病院独自で教育する目的で、大部分が奨学金制度を実施しています。卒業後にその病院に何年か勤めると、返還義務が免除されるシステムで、現在、半数弱の学生が奨学金を受給しています。したがって、短大に比べて、学費やその他の経費が少なくてすみます。

国立大学医学部附属看護学校>>5
いずれの学校にも古い伝統があります。受験者の人気も高く、レベルも高いです。

国立病院・国立療養所附属養成所>>6
設置主体者である病院・療養所で実習が行われるため、先輩達による実習指導がしっかりしている利点があります。授業料は安く、しかも就職先が安定していますので高倍率となります。

公立大学医学部附属看護学校>>7
全国でもそれほど多くはありません。

私立大学医学部附属看護学校>>8
有名私立大学に附属しているところもあって、それらの看護学校は人気も高く、入学試験も難しいといえます。

公立看護学校>>9
看護学校の中で最も多い学校です。倍率・難易度も幅広く、入試のレベルは一概には言えません。

私立看護学校>>10
病院附属や医師会経営のものなどがあります。学校により、入試科目のばらつきがあります。

日本赤十字社看護学校>>11
古くから看護師の養成施設を持っており、長い歴史と伝統があります。受験者が多く、難関です。

労働福祉事業団の看護学校>>12
卒業後の勤務病院の立地先により、倍率にばらつきがあります。

救生会・厚生連関係の看護学校>>13
試験科目自体は易しいが競争率の高い学校が多い。

以上、さまざまな種類の看護師養成所を紹介しましたが、全般的に言えることは、国・公立の学校は私立の学校に比べて学費が安いため、高い競争率を示しております。
看護師を目指すみなさんは、資格を取得するために、上記の養成所のいずれかに入学しなければなりません。
当面の皆さんの目標は、学校を選択し、そこの入学試験に合格することです。

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看護師からのキャリアアップ

看護師養成所を卒業すると、看護師国家試験の受験資格が得られると同時に、保健師・助産師学校への入学資格が得られます。いずれも法律では6カ月の修業年限ですが、実際には1年間のところがほとんどです。1年間の修学の後、保健師・助産師それぞれの国家試験の受験資格が得られます。また、保健師と助産師の資格が同時に得られる「保健師・助産師コース」もあります。
4年制の看護大学では、保健師、助産師の学習が含まれており、必要な学科を履修すれば、保健師、助産師それぞれの国家試験の受験資格が得られます。
なお、看護師、保健師、助産師の重複カリキュラムの見直しにより、一部の短期大学、専門学校でも保健師、助産師の国家試験の受験資格が得られるようになりました。

保健師へのコース
保健師の仕事は、地域に住む人々が健康的な生活を送れるよう保健指導することです。主に保健所や市町村役場で活躍しています。保健師養成施設は全国に 153校あります。(国立38、公立63、私立52)学校区分では大学103校、短大専攻科19校、養成所31校です。

助産師へのコース
妊婦への保健指導、育児相談、分娩時の介助などが助産師の主な仕事です。病院の産科病棟、産婦人科の診療所、市町村の母子保健センターなどが活躍の場ですが、キャリアを積んで助産所を開業することもできます。
助産師養成施設は全国に128校あります。(国立41、公立52、私立35)学校区分では大学67校、短大専攻科26校、養成所35校です。

養護教諭へのコース
生徒の健康を管理する養護教諭も看護の分野の一つです。仕事は、救急処置、保健指導、健康相談をはじめ、学校保健計画の作成、保健室の管理・運営、学校内だけでなく地域全体を含めた環境衛生の改善など多岐にわたります。
免許の取得方法は、看護師免許を得た後、保健師学校か養護教諭養成所で1年間学ぶと、小学校・中学校・高等学校の養護教諭1級の免許が得られます。(看護師の資格がない場合は、養護教諭2級の免許になります。)

看護教員へのコース
看護師の資格取得後、5年間の臨床看護の経験を積み、看護教員として必要な研修や講習を受けると看護教員になれます。その研修には6カ月コースと1年間コースがあり、厚生労働省・文部科学省・日本看護協会主催のものとがあります。

大学への編入学
看護師養成所の短期大学を卒業、もしくは看護専門学校を卒業する(平成11年から編入学資格が与えられました)と、4年制看護系大学への編入学が可能となります。編入する学年は3年次が最も多く、大学へ編入することにより、大学院への進学も可能となります。

修士・博士へのコース
看護学の修士課程(修業年限2年以上)を持つ大学院は58校あります。次に主な学校を紹介します。北海道医療大学、札幌医科大学、山形大学、東京大学、聖路加看護大学、東京医科歯科大学、日本赤十字看護大学、北里大学、千葉大学、富山医科薬科大学、聖隷クリストファー看護大学、滋賀医科大学、大阪大学、大阪府立大学、兵庫県立看護大学、岡山県立大学、広島大学、愛媛大学、高知女子大学、佐賀医科大学、大分医科大学、琉球大学、国際医療福祉大学です。
卒業生は、看護職の幹部になったり、研究者として論文を発表したり、看護教育の場で活躍したり、看護の世界の発展に活躍しています。博士課程(修業年限3年以上)を持つ大学院は15校あります。北海道医療大学、国際医療福祉大学、東京大学、聖路加看護大学、東京医科歯科大学、日本赤十字看護大学、北里大学、金沢大学、千葉大学、長野県看護大学、大阪大学、大阪府立看護大学、神戸大学、兵庫県立看護大学、広島大学です。

このように看護学も医療に役立つ学問としてより高度になってきております。
※大学院入学資格の弾力化に伴い、平成12年より、大学を卒業したものと同等以上の学力がある。 かつ22歳以上の方には、入学資格を与えるようになりました。
具体的には個々の大学院において違いますが、国家資格保持者、22歳以上、実務経験3年以上などの条件を満たしていると入学資格が与えられます。
最新情報は当ホームページもしくは看護・医療サーチをご覧ください。 

その他
・開発途上国への看護の技術援助
・海外ボランティア
・在宅看護           など

このように、現在、看護師の活躍する場は従来のように病院や診療所だけではなく、学校・企業・海外・在宅とどんどん拡大されています。医師よりものその仕事の領域は広く、看護師のイメージは大きく変容しつつあり、地域社会で、病院でスペシャリストとして活躍しております。
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おわりに

みなさんが自己実現できる職業として、ためらわず看護師を目指されること祈ります。看護進学会は、全力でみなさん方一人ひとりを応援いたします。何なりとお気軽にご相談ください。
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